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料理ができたのは、彼女が持ってきた材料と用具があったからで、それらはすべて彼女の大きなカバンに入っていた。
一時間後には、私は自分の部屋で初めて出来立ての料理をご馳走になった。 正直に言うと、まず感じたことは、美味しいというよりも、熱いということだった。
彼女から感想を尋ねられたときは、もちろん、その形容は口にしなかったけれど。 とりあえず、満腹になったものの、しかし、不安は消えない。
むしろ大きくなった。 このさきどうなるのか。
どうしたら良いのか。 いろいろ探りを入れてみたが、彼女の返答は実にストレートでダイレクトである。
ここに泊まっていく、と言うのだ。 ほかに行くところはない、と言う。

どんどん時間は遅くなる。 ホテルを探すのが順当な選択だと私は考えていたが、それには金がかかるし、彼女が抵抗しそうだ。
自分が彼女をホテルへ送っていく光景を思い浮かべると、どうも胡散臭い。 そちらの方が危ない感じがする。
人前で必死に抵抗でもされたらどうしたらいいか。
私らしいやり方として、とにかく穏便にことを運ぶために最善を尽くそう、と決意した。
頭の中の対策委員会は、満場一致でそれを決定し、その一文が毛筆で書かれた看板が掲げられて拍手になった。 しかし、具体的にどうすればそれが実現できるのかについては、継続審が「あの、いつも、どうされているのでしょうか?」と言い、「あ、ああ」私は口を開けたまま領いた。
「そうですね、いちおう入っております、毎日」「お湯を入れましょうか?」「え?」議としてサブワーキングに委ねられた。 これからワーキングの委員が別室で審議をするのである。
困ったことだ。 まだまだ先は長いぞ。

お茶を飲みながら彼女と話をした。 全然話が弾まない。
油粘土で作ったスーパボールみたいなものだ。 しかも、話した内容がまったく頭にインプットされない。
なにしろ、私の頭の中のサブワーキングでは、どうしたら彼女を帰らせることができるのか、を審議するグループと、もしも万が一彼女がこのままここに居座ることになった場合、私がどこへ出ていくのかを考えるグループと、出ていかない場合に彼女に寝場所を与えるにはどうすれば良いかを考えるグループに分かれることが決まったところだった。 三グループとも議長を選出する投票をしている。
困ったことだ。

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